東京都内近郊には超高層ビルが相次いで建設されています。その多くに、有料無料を問わず展望台が設けられています。展望台から見る東京の街の夜景は宝石をまとったようで、つい、つい見とれてしまいます。今回第3回目は、超高層ビルの展望台、タワーの展望台からの夜景を中心に取り上げてみました。
(1) 聖路加タワー(St.Luke'sTower)
東京中央区の地下鉄築地(正確には明石町)駅近くにあります。この地区は聖路加ガーデンと呼ばれ、聖路加タワー、聖路加レジデンス、聖路加国際病院等の複合施設から成り立っています。聖路加タワーとレジデンスはツインタワーとなっていて、聖路加タワーの46階の踊り場から47階の一部が無料展望台になっています。47階はレストランで、その入り口部分が展望台になっています。幅30cmほどの出窓があるので、そこに小型三脚を据えて撮影できるわけです。ここからは墨田川下流、移転予定の築地市場、浜離宮(市場、離宮とも夜間は暗くて見えません)が望めます。左手はレインボーブリッジ、有明コロッシアムが見えます。47階からは左手の夜景は見ることが出来ませんが、46階との階段の踊り場から見ることが出来ます。
茜色に染まるころ。左手の橋が勝鬨橋、右中央半円のカーブが築地市場、その奥黒い森が浜離宮です。東京タワーも見えています。
勝鬨橋をくぐる観光船がうまく3隻画面に入ってきました。
46−7階の踊り場の窓から見たレインボーブリッジ。
レンズと窓ガラスに隙間ができたために、室内の光が映り込み多少まだらになってしまいました。光が入りこまないように黒布等でしっかり遮光しなければなりません。
上と同じ位置で、もう少しアップで、船が通過するのを待って撮りました。
ここルーカスタワーの展望台は、残念ながら平成22年7月をもって閉鎖されてしまいました。もう二度とここからの夜景が撮れないのは非常に残念でなりません。
(2) 世界国際貿易センタービル
JR山手線浜松町駅と直結したこのビルの40階(地上152m)に有料展望台があります。四面が全部見られるという点では、優れものです。ただ周囲にどんどん大型の超高層ビルが出来ていますので、幾分時代遅れの感がありますが、撮影には十分楽しめます。
東京駅方面を見ました。隣の新橋駅汐留が再開発の工事中です。現在の汐留カレッタのあるところでしょうか。
モノクロフィルムで撮影していますが、夜景はカラーでもモノクロでも美しいですね。
ビルの下の方を見ると高速道路が走っていました。羽田方面に向かう首都高速1号羽田線と11号お台場線のようです。実はこの画像9回の多重撮影をしています。ですから車の台数がやけに多いのです。一方下のカットは長時間露光したもので、テールランプ、ヘッドライトが線となって上限されています。
同じ被写体でも、撮り方によって表現が違ってきます。
これは展望台から地上を見たときに道路が工事中でした。赤い点々が工事中を示すランプです。上から見ると不思議な感じがします。
(3) 東京都庁
新宿区にある都庁のツインタワーにはいずれも45階(202m)に無料の展望台があります。1990年(平成2年)バブル華やかな頃立てられたこのビルは、池袋のサンシャイン60を抜いて日本一の高さを誇る豪華なビルとして話題を集めました。設計業界のみならず一般にも超有名な、丹下健三氏の後期の作品と言われています。外観はパリのノートルダム寺院にも似たこの建物は、その後2003年に横浜ランドマークタワー、2006年六本木ミッドタウンに日本一、東京一の座をゆずりました。
天を突くような高さ。夜間はビルの先端からビーム光が天に向かって照射されている。
新宿1〜3丁目に超高層ビル群が密集している。
まばゆいばかりのビルの照明。
(4) サンシャイン60
東京都庁が出来るまでは、この池袋サンシャイン60ビルが日本一の高さを誇っていました。最近は続々と超高層ビルが出来ておりますが、池袋駅周辺という立地の良さと知名度があるので、ここの屋上展望台の景色は人気があります。展望台の4面がすべて見渡せることに加え、屋外でガラス窓を気にせずに写真が撮れることです。縁に柵がありますが柵の間から撮影できます。気象条件が良ければ富士山も望めます。
水平線の右端にかすかに富士山が見えます。この後すぐに黒雲に覆われてしまいました。
富士山を大きく取り入れてみましたが、夕焼けが今一つ綺麗ではありませんでした。
この日は綺麗な茜色となりましたが、相変わらず富士山はすっきりしませんでした。
真冬の夕景ですが、相変わらずスモッグがかかったような風景でした。
(5) 文京シビックセンター
東京メトロ・丸の内線後楽園駅のすぐそばに立地している、文京区役所の建物です。丸ノ内線の反対側は巨人軍の本拠地である後楽園球場があります。文京区役所の25階に展望ラウンジがあります。無料休憩所ですが、ここからは都内の3分の2近くが見渡せます。しかし何と言いても新宿方面を見ることが最大の眼目で、冬季空気の澄んだ日には新宿の都庁をはじめとする超高層ビル群の間に富士山が顔を出すことです。
富士山裾野に見えるツインビルは東京都庁です。
なんと2月の1日にはこの富士山の山頂に太陽が落ちるのです。山頂に落ちるのは一年にこの日一日だけ(夏季に右に進んだ太陽が戻ってきますが、夏は空気が濁っていて富士山は望めません)です。平成14年2月1日にこの近くで仕事があって、運良く撮影の機会が巡ってきました。日没1時間前に展望ラウンジに着いたときはカメラマンと観光客で押すな押すなの混雑。じりっ、じりっと窓際に身を滑りこませますが最前列と2列目は三脚が立ち並び、前に進めません。何とか背伸びをしてカメラを高く持ち上げて、連続シャッターを切り、ポジフィルみ1本を撮るのがやっとでした。その結果が下のカット。
画像の粒子が荒れてしまいました。フィルム選択の失敗でした。カメラに入っていたのはコダクローム200でした。コダクロームはISO25〜50が最適、しかも撮影対象がシックな色調向けで、太陽などド派手な対象には不向きでした。
東京の知人等によれば、近年シビックセンターの周囲にも超高層ビルが立ち並び、この風景が撮れなくなったとのことでした。それだけに富士山頂に沈む夕日のカットを上手く撮影できなかったのは、残念でたまりません。
(6) 横浜マリンタワー
横浜のシンボルともいえる山下公園のマリンタワー、ここからも横浜港が一望できます。展望台は地上94mとそれほど高くはありませんが、ここから見渡す夜景は一見の価値があります。目の前には、かつて太平洋航路の豪華客船として使われた氷川丸が係留保存されています。
横浜大桟橋からマリンタワーと氷川丸を見る。
タワーの展望台は時に揺れるので、合間を見て素早くシャッターを切る。係留されている氷川丸。
岸壁のライトが規則正しく並んでいて、リズム感が感じられる。
マリンタワーの傍を高速道路が走っている。首都高みなとみらい線で、この先別れてベイブリッジを通る湾岸線となる。
横浜ベイブリッジ、本来ならベイブリッジのライトアップは青色ですが、このとき平成14年は、日韓ワールドカップ開催の時期で、赤色に照射されています。日韓ワールドカップバージョンと、港湾局の方が言っておりました。
(1) 聖路加タワー(St.Luke'sTower)
東京中央区の地下鉄築地(正確には明石町)駅近くにあります。この地区は聖路加ガーデンと呼ばれ、聖路加タワー、聖路加レジデンス、聖路加国際病院等の複合施設から成り立っています。聖路加タワーとレジデンスはツインタワーとなっていて、聖路加タワーの46階の踊り場から47階の一部が無料展望台になっています。47階はレストランで、その入り口部分が展望台になっています。幅30cmほどの出窓があるので、そこに小型三脚を据えて撮影できるわけです。ここからは墨田川下流、移転予定の築地市場、浜離宮(市場、離宮とも夜間は暗くて見えません)が望めます。左手はレインボーブリッジ、有明コロッシアムが見えます。47階からは左手の夜景は見ることが出来ませんが、46階との階段の踊り場から見ることが出来ます。
茜色に染まるころ。左手の橋が勝鬨橋、右中央半円のカーブが築地市場、その奥黒い森が浜離宮です。東京タワーも見えています。
勝鬨橋をくぐる観光船がうまく3隻画面に入ってきました。
46−7階の踊り場の窓から見たレインボーブリッジ。
レンズと窓ガラスに隙間ができたために、室内の光が映り込み多少まだらになってしまいました。光が入りこまないように黒布等でしっかり遮光しなければなりません。
上と同じ位置で、もう少しアップで、船が通過するのを待って撮りました。
ここルーカスタワーの展望台は、残念ながら平成22年7月をもって閉鎖されてしまいました。もう二度とここからの夜景が撮れないのは非常に残念でなりません。
(2) 世界国際貿易センタービル
JR山手線浜松町駅と直結したこのビルの40階(地上152m)に有料展望台があります。四面が全部見られるという点では、優れものです。ただ周囲にどんどん大型の超高層ビルが出来ていますので、幾分時代遅れの感がありますが、撮影には十分楽しめます。
東京駅方面を見ました。隣の新橋駅汐留が再開発の工事中です。現在の汐留カレッタのあるところでしょうか。
モノクロフィルムで撮影していますが、夜景はカラーでもモノクロでも美しいですね。
ビルの下の方を見ると高速道路が走っていました。羽田方面に向かう首都高速1号羽田線と11号お台場線のようです。実はこの画像9回の多重撮影をしています。ですから車の台数がやけに多いのです。一方下のカットは長時間露光したもので、テールランプ、ヘッドライトが線となって上限されています。
同じ被写体でも、撮り方によって表現が違ってきます。
これは展望台から地上を見たときに道路が工事中でした。赤い点々が工事中を示すランプです。上から見ると不思議な感じがします。
(3) 東京都庁
新宿区にある都庁のツインタワーにはいずれも45階(202m)に無料の展望台があります。1990年(平成2年)バブル華やかな頃立てられたこのビルは、池袋のサンシャイン60を抜いて日本一の高さを誇る豪華なビルとして話題を集めました。設計業界のみならず一般にも超有名な、丹下健三氏の後期の作品と言われています。外観はパリのノートルダム寺院にも似たこの建物は、その後2003年に横浜ランドマークタワー、2006年六本木ミッドタウンに日本一、東京一の座をゆずりました。
天を突くような高さ。夜間はビルの先端からビーム光が天に向かって照射されている。
新宿1〜3丁目に超高層ビル群が密集している。
まばゆいばかりのビルの照明。
(4) サンシャイン60
東京都庁が出来るまでは、この池袋サンシャイン60ビルが日本一の高さを誇っていました。最近は続々と超高層ビルが出来ておりますが、池袋駅周辺という立地の良さと知名度があるので、ここの屋上展望台の景色は人気があります。展望台の4面がすべて見渡せることに加え、屋外でガラス窓を気にせずに写真が撮れることです。縁に柵がありますが柵の間から撮影できます。気象条件が良ければ富士山も望めます。
水平線の右端にかすかに富士山が見えます。この後すぐに黒雲に覆われてしまいました。
富士山を大きく取り入れてみましたが、夕焼けが今一つ綺麗ではありませんでした。
この日は綺麗な茜色となりましたが、相変わらず富士山はすっきりしませんでした。
真冬の夕景ですが、相変わらずスモッグがかかったような風景でした。
(5) 文京シビックセンター
東京メトロ・丸の内線後楽園駅のすぐそばに立地している、文京区役所の建物です。丸ノ内線の反対側は巨人軍の本拠地である後楽園球場があります。文京区役所の25階に展望ラウンジがあります。無料休憩所ですが、ここからは都内の3分の2近くが見渡せます。しかし何と言いても新宿方面を見ることが最大の眼目で、冬季空気の澄んだ日には新宿の都庁をはじめとする超高層ビル群の間に富士山が顔を出すことです。
富士山裾野に見えるツインビルは東京都庁です。
なんと2月の1日にはこの富士山の山頂に太陽が落ちるのです。山頂に落ちるのは一年にこの日一日だけ(夏季に右に進んだ太陽が戻ってきますが、夏は空気が濁っていて富士山は望めません)です。平成14年2月1日にこの近くで仕事があって、運良く撮影の機会が巡ってきました。日没1時間前に展望ラウンジに着いたときはカメラマンと観光客で押すな押すなの混雑。じりっ、じりっと窓際に身を滑りこませますが最前列と2列目は三脚が立ち並び、前に進めません。何とか背伸びをしてカメラを高く持ち上げて、連続シャッターを切り、ポジフィルみ1本を撮るのがやっとでした。その結果が下のカット。
画像の粒子が荒れてしまいました。フィルム選択の失敗でした。カメラに入っていたのはコダクローム200でした。コダクロームはISO25〜50が最適、しかも撮影対象がシックな色調向けで、太陽などド派手な対象には不向きでした。
東京の知人等によれば、近年シビックセンターの周囲にも超高層ビルが立ち並び、この風景が撮れなくなったとのことでした。それだけに富士山頂に沈む夕日のカットを上手く撮影できなかったのは、残念でたまりません。
(6) 横浜マリンタワー
横浜のシンボルともいえる山下公園のマリンタワー、ここからも横浜港が一望できます。展望台は地上94mとそれほど高くはありませんが、ここから見渡す夜景は一見の価値があります。目の前には、かつて太平洋航路の豪華客船として使われた氷川丸が係留保存されています。
横浜大桟橋からマリンタワーと氷川丸を見る。
タワーの展望台は時に揺れるので、合間を見て素早くシャッターを切る。係留されている氷川丸。
岸壁のライトが規則正しく並んでいて、リズム感が感じられる。
マリンタワーの傍を高速道路が走っている。首都高みなとみらい線で、この先別れてベイブリッジを通る湾岸線となる。
横浜ベイブリッジ、本来ならベイブリッジのライトアップは青色ですが、このとき平成14年は、日韓ワールドカップ開催の時期で、赤色に照射されています。日韓ワールドカップバージョンと、港湾局の方が言っておりました。