<写真道展 学生の部入選 左下の女子学生の表情に惹かれました>
9月11日から16日まで、市立小樽美術館にて第66回写真道展の巡回展が行われました。第1部(自由)120点、第2部(観光産業)52点、第3部(ネイチャー)98点、第4部(学生)36点の計306点に、小樽支部の審査会員・会友6名6点の計312点です。1Fの多目的ホール3部屋にびっしり展示された作品は見事でした。
これ以外に、過日紹介した小樽鉄路展(9月2日~15日)の一部と、8月28日~9月1日に市立小樽美術館で開催されたフォト虹彩写真展およびヒマラヤの青いケシ写真展、そして最後にニトリ小樽芸術村で展示された、第3期「幽霊・妖怪・血みどろ浮世絵、月岡方年を中心に」を紹介いたします。
☆第66回写真道展~小樽巡回展から
左が、自由の部第1席・文部科学大臣賞となった「蒸溜酒を作る女」です。画像が小さくわかりにくいのですが、大きな窯で原料を手動で撹拌している場面です。竈から立ち上がる紫煙と燃盛る火が対照的で、撹拌する女性の重労働さが伝わってきます。その右、中央下は2席の作品で「昭和のかおり」、昔懐かしいポンプがあります。
全入選作品が展示されています。
観光産業の第2部で国土交通大臣賞となった「雪中作業」ですが、養殖ホタテがクレーンで水揚げされている様子でしょうか、小雪がちらつく中、大変な作業かと思います。
ネイチャーの第3部写真道展大賞・環境大臣賞の「風紋のタイミング」です。多分摩周湖の中島を朝焼けの中、逆光でとらえたのでしょうか、見事に赤く輝く湖面に風紋が写り込んでます。
学生の第4部で最優秀賞になった「時節」ですが、小雪降る中、店先に草鞋と藁の長靴が並べられ、奇妙な、時代錯誤の感じがします。
道展小樽支部の審査会員・会友による作品も展示されておりました。
第1部入選作品の中から、目立ったのがこの作品でした。水着ではなく普段着のまま飛び込む瞬間ですが、スカートの下の薄い肌着が、妙に色っぽく、絶妙のタイミングでとらえられています。
第2部の入選作品では、この画像が秀逸と思いました。作品は縦長ですが、上半分だけのほうが迫力が出るかも…。馬の目と御者の口が、見るものをひきつけます。
第4部ですが、右下の写真に注目です。題名「ぺったん、ぺったん」、女子高生の表情がとてつもなく明るく、いたずらっぽいのが好感持てます。
☆小樽鉄路展…その他の作品
線路わきの物置の壁一面に張られた小樽に関する写真。これだけ貼られると見事というほかない。
最後尾から入口方向を見ると、右手にちらりと旗状のものが見えますがこれも布に印刷した写真です。風が吹くと揺れ動くし、風がないとだらりと下がるし、見せる写真としては、どうなんでしょうかね。
雪国ならではのカットですね。
網に張られた写真。実はこのタンポポ文庫(何屋なのか不明)、入船十字街にあって、車で通る都度目にしてますが…、
☆フォト虹彩写真展(小樽未来創造高校写真部写真も含む)&ヒマラヤの青いケシ写真展
フォト虹彩・佐藤通晃さんはモノクロ撮影、しかもフィルムにこだわった作品作りをされています。今回は積丹町と神恵内村の境にある「賽の河原」の組み写真を展示しております。国道から岩場の波打ち際沿いを、上り下りしながら徒歩30-40分ほどかかるところにあるのが賽の河原です。数回訪れたことがありますが、ここに至るまでが一苦労。とても懐かしく思いました。
フォト虹彩の展示風景。会員それぞれ自分のテーマで展示しております。
東京ぶらり旅とのテーマでの組み写真、東京の裏町が切り取られています。中でも次の作品が目を惹きました。
公園の一角でしようかね、あちこちにオブジェらしきものがあります。左側の猫でしょうか、舌を出して、睨む作品が目を惹きます。目の部分をもう少し下から空に向けてとると、目が強調されより印象深い作品となったかもしれません。
フォト虹彩は小樽未来創造高校と合同展示ですが、高校生のこの作品がとても印象的でした。
ヒマラヤの青いケシ写真展は、いろんな種類があるようで、青一色ではないようです。
左がよく見かける「ヒマラヤの青いケシ」。
地域によっては必ずしも、青だけとは限りません。
☆ニトリ小樽芸術村(旧三井銀行小樽支店)では、浮世絵展の第3期「幽霊、妖怪、血みどろ、おっかない浮世絵」展(7月25に~9月3日)が行われており、訪れた9月2日(月)は、小樽市民無料デーでした。通常500円の入館料が無料とあっては…浮世絵についてはよくわかりませんが、つい入館してしまいました。幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師「月岡芳年」の作品が中心に展示されていました。
月岡義人については上記を参照してください。
タイトルが、四谷怪談となっていますが…私が知ってる四谷怪談は、お岩さんが井戸から、ひゅーどろどろんと出てくるシーンですが…
う~ん、よくわかりません。
別の絵には、大蝦蟇に乗った児雷也の絵がありましたが、これは大蜘蛛に乗った…よくわかりません。
この絵はよく見かけます。タイトルは…見落としました。
30分ほど浮世絵を見た後、中央ホールに戻ると、プロジェクションマッピングが行われていました。天井が高く、大きな館内は、さすが元都市銀行だっただけあります。