<枯草に着いた朝露が滴となって輝いています>
前回のブログ「晩秋の富良野路を往く」に続いて、今回は「晩秋の積丹路を…」取り上げました。前回はフォトコンでGETした宿泊券の消化で層雲峡までの一人旅、長距離運転で結構疲れました。なにぶん後期高齢者(あと2年チョイ)目前、運転していても、体力的にも精神的にも、かなり衰えてきたことを自覚しています。車での長時間・長距離運転は難しくなってきたことを実感しました。
そんななか、写友から積丹撮影ツアーの誘いが来ました。そういえば「積丹観光フォトコンテスト」の締め切りが11月30日だったような…、早速OKの返事をしました。え!午前3時半出発?いま日の出が午前6時20分ころだよ、そんなに早く出てどうするの?日の出を撮るって言ったって、このところ天候の具合が…等々やり取りの結果、午前4時出発で妥協。それにしても早すぎるような気が…
途中コンビニで飲み物を調達したり、小樽~余市間の高速道路工事中のカットを撮ったりしながら、国道229号線(積丹1周)を西に向かいます。なお、この229号線沿いの海岸は奇岩奇跡の多いところで、ニセコ、羊蹄を含めて「ニセコ積丹小樽海岸国定公園」に指定されています。
先ずは余市郊外の白岩漁港で、えびす岩と大黒岩の撮影です。奥の水平線上・札幌方面は夜明けの兆しが見えます。ここは道路側に夜間でも街路灯があって、結構明るい。余市の観光パンフレット等には、鳥居の中に朝日を取り込んだ画像や、朝日を点撮りして鳥居の中に入れるという高度なノウハウを持って撮影した写真も見たことがあります。
余市と古平の境にある豊浜漁港(余市町)、ここからはロウソク岩が見られます。かつては前述の白岩漁港から旧トンネル沿いにロウソク岩の真ん前まで行けましたが、今は通行禁止で、金網の塀があって近づくことは出来ません。AM5:45幾分空が明るくなってきましたが、晴とはいかないようです。
同じく豊浜漁港ですが、上方右辺に金星でしょうか、一番星が出てきました。
中央左がロウソク岩です。ロウソク岩と漁火やロウソク岩の先端に朝日を取り込んだり、そういう画像をよく目にします。
先に進んでいくと、古平町の浜町十字街の手前に大きな川があります。この古平川の河口には、秋口には鮭が遡上してきます。6:10地平線が明るくなってきました。あと10分もすれば日の出の時間です。と言っても空には分厚い雲が垂れ込めています。とにかく積丹方面に急ぎます。途中の婦美町から道道913号線で幌武意(ホロムイ)、日司(ヒヅカ)に向かいます。
農家の作業小屋のようですが煙が立ち上っています。奥の方の松林もすっかり紅葉しています。天気が良ければ黄金色に輝くのですが…
なんとなく様になっているような、いないような…中央の枯れ木が撮ってくれと…
積丹岬の入り口付近の駐車場に到着しましたが、島武意海岸へ降りる途中のトンネルが封鎖されていました。トンネルの向こう側には、日本の渚百選にも選ばれた島武意海岸を一望できる展望台があるのですが、残念です。とはいってもこの時期、花も咲いておらず海もねずみ色では絵になりません。日司漁港方向に降りて行きます。
日の出から30分弱、積丹岳の中腹に雲の割れ目から陽が射しこみました。AM6:50
しばらくすると日差しは海岸近くの林に差し込み、一段と赤くなりました。
なんとなく不気味な空模様です。あらためて見ると、神威岩(中央の岩)の周辺にかなりの岩礁があるんですね。
野塚を過ぎて神岬に進むと国道わきからキタキツネが、親子でしょうか低姿勢で出てきました。あげるものはないよ、自分で餌を探しなさい。と言いつつ、数カット撮影。
さて、途中で神威岬の駐車場に立ち寄りましたが、あの広い駐車場には誰もいません、シーズンオフと言うことでしょうか、自販機が全部封印されています。やむなく、神岬に立ち寄りしばらく漁村風景を撮影、その後婦美に戻り、積丹岳登山口あたりに向かいます。周辺は一面セピアカラーです。
正面に冠雪した積丹岳が見えますが、道路わきのカラマツは黄葉ピークを過ぎていました。
やや!変な風景、何がって?後ろの山がトラ刈り状態だよ。ん?バリカンの見ない今の時代、トラ刈りは死語かな?
なんだろう?変なモノ見つけたけれど、牛舎の跡でもなさそうだし、それに丸いコンクリートの玉は?
カラマツの赤が一段と目立ってます。
周辺のカラマツに陽が射すのを待ってあれこれ撮影しましたが、進むうちに、美国町に出てしまいました。まっすぐ進むと、漁港で干物を販売している鎌田商店があります。生干しのイカを購入し、親父さんとしばし雑談。その後余市・小樽に戻ることにします。
今日は生干しのイカしかありませんでした。ここの店も、漁港改修で立ち退きを要請されており、今年一杯で営業を終わるとか…
途中古平漁港に寄ってみると、漁協の前の海岸で、魚船から魚を降ろしているようです。よく見るとかなり大きな魚です、それに混じって小魚も一杯上がってきます。聞くとブリの定置網漁から戻ったばかりで、仕分けの最中ということです。早速撮らせていただきました。
後方の三角のマスからベルトコンベアの上に捕獲した魚が並んで出てきます。サイズ別に周辺のポリ篭に仕分けられます。
漁船から網で救い上げて、三角のマスに入れられます。マスの出口を調整して魚の大きさ別にベルトコンベアーに流します。
ブリを選別します。その前にブリが咥えていた小魚をエラをつかんで吐き出させます。小魚は、イカ、フグ、サバなど多種多様です。ん?ブリはフグを丸呑みして毒にあたらないのかな?何ともないそうです、漁師の返事でした。不思議?
(注)ブリは出世魚と言われるように、大きさなどで区分されます。体調80cm以上をブリと称します、60cm程のものをワラサ、40㎝のものをイナダと言うようです。ただ地域によって区分も呼び名も異なります。60cm程のものをハマチとも言いますが、ハマチは養殖に限って使うようです。
船腹にはまだまだ魚が詰まってます。
ブリが咥えていた小魚を漁師が捨てると、すかさずカラスが寄ってきます。
運ばれてきたブリを漁協の職員が大きさ、重さ別に再仕分けしています。1本約1万円ほどとか…個人には販売しませんとのこと。すべてセリにかけて卸売業者に渡すとのことでした。
最後に珍しい光景に出合い、十分満足しました。これも午前4時に出発したおかげかな?