今回は少し技巧に走った写真を紹介します。と言っても特段難しいわけではなく、カメラとズームレンズ、そして僅かばかりのアイディアがあれば、どなたでも標題に掲げた画像と似たような写真が撮れます。
先ず用意するものはデジタルカメラ、レンズ交換のできるカメラです。そしてズームレンズ1本。今回はTAMRON 18-200mmXRDi2と言うレンズを使いました。このレンズはボデイとの接触不良で、普段は使うことが出来ません。いわばジャンク品ですが、超マクロ撮影には支障がありません。次に、カメラのボデイにレンズを逆付しますので、橋渡し役に「リバースアダプター」を使います。このリバースアダプターはkenkoから発売されており、ヨドバシカメラやビックカメラで購入することが出来ます。2千数百円程度だったと思います。
Kenkoの総合カタログの一部を切り取りました。
次に用意するものはテーブルです。そしてたんぽぽの綿毛と霧吹き、CDを1枚用意します。出来る限り風が当たらなくて、直射日光の当たる場所で撮影開始です。綿毛とCDの裏面に霧吹きをかけて、CDにあたった直射日光を下から水滴の付いた綿毛に反射させます。あとはカメラを覗いてピントを合わせて(カメラを前後に移動したり、ズームリングで調整したりして)、シャッターを切れば、OKです。このようにして出来上がった作品が以下の通りです。
WBの色温度(ケルビン)を下げて、青味を強くした画像です。CDを反射させていません。バックは暗い所を選びました。
上と同じですが、CDの反射を少し入れてみました。水滴に色が着きました。
もう少しCDの反射を強くしてみました。所により七色の輝きが…
WBはノーマル(オートまたは太陽光、5200ケルビン)です。バックに薄茶色のテーブルを選びました。
さて次はCDにも霧吹きをかけて、直射日光に当て、その反射光が水滴の付いた綿毛にあたるように調整してみました。
七色に近い輝きの宇宙が出来上がりました。
輝く水滴たちの競演です。
この画像はすでにFBで紹介しました。
黄色や緑に輝く部分を切り取ってみると…
同じくとると…アナザーワールドになってきました。
今度は緑色に輝く部分です。
アナザーワールドになりました。
さてここまで来ると、色んな工夫が思いつきます。リバースリングとレンズの間にカラーフィルターを挟むとどうなるのでしょうか?そんな思い付きで、色の三原色フィルターセット(kenkoのSPカラーセット:ブルー、緑、赤)と、モノクロ撮影に使う黄色のフィルターをはさんでみました。結論から言うと緑と青は、すべて一色に染まり、判別が出来なくなりました。かろうじて赤と黄色が何とか…次の画像を見てください。
今一つメリハリが出ず、上手くいきませんでした。
赤のフィルターでは、数カットが何とか救われる程度で…ほとんどが赤一色のメリハリのない画像になってしまいました。この画像は強引に明暗、トーンカーブをいじくりまわいて…何とかみられる画像になりました。
上と同じ手法で、赤の宇宙が出来上がりました。
同じ手法ですが、赤い色に透明感が失われ、失敗作かも…
工夫次第でさらにおもしろい世界が作れるかもしれません。ここまでやってきて、クロスフィルターを使うとどうなるか気が付きました。残念ながら、たんぽぽの綿毛はとっくにシーズンオフです。来年チャレンジしてみるつもりです。
なお、色の3原色、SPフィルルターを使った作例ブログは
☆2009.3.28「3色フィルターを使う」(フィルム編)
☆2011.4.29「3色フィルターで撮ってみる」(デジタル編)
レンズ逆付による超マクロ撮影については、下記のブログを参考にしてください。
☆2009.3.20「超マクロ撮影〜レンズ逆付の荒業1」
☆2009.3.21「超マクロ撮影〜レンズ逆付の荒業2」
タンポポの綿毛と水滴の撮影については、下記のブログにも載せております。
☆2010.7.2「マクロワールド〜タンポポの綿毛と水滴」
☆2011.2.2「たんぽぽの綿毛に魅せられて」