10月15日(火曜)今年最後となる、大型クルーズ客船が入港しました。小樽初寄港となるフランス船籍の「ル・ソレアル号」10944トンで、午前7時に第3埠頭16番バース(berth)に着岸いたしました。同日午後7時には、次の寄港地金沢に向けて出港しました。6月1日のブレーメン号に始まった大型クルーズ船は、今回のル・ソレアル号が最後の寄港で、合計18回となりました。寄港回数は過去20回の昨年に次ぐ多さでした。その中から印象に残ったクルーズ船を振り返ってみたいと思います。
残念ながら、最後の寄港となったル・ソレアル号については、撮影に行く予定をしていながら、うっかりミスで逃してしまいました。気が付いたときは、午後7時過ぎで夕食中に大きく長い汽笛が聞こえたときでした。今から飛び出しても間に合いません。と言うことで最終寄港船の画像はありませんが、今年を振り返ってみたいと思います。話題になったのは、過去最大の豪華客船「サン・プリンセス号」77441トンが寄港したことでした。
(1) 過去最大級の「サン・プリンセス号」入港
過去に小樽港に入港した最大のクルーズ客船は、平成22年5月21日の「レジェンドオブザシー号」(69130トン、乗客2076人)ですが、サン・プリンセス号はこれを上回る77441トン、乗客2022人となっています。その威容の大きさに、港で撮影しようとしてもカメラの収まりきれませんでした。6月19日(水曜)と7月19日(金曜)の2度寄港しました。
なお、これらの大型クルーズ船を上回る船は、実は小樽港に2度入港しています。民間船ではありませんが、米軍の空母「インデペンデンス号」(80643トン、乗員数3950名)が平成9年9月5〜7日に、同じく米軍空母「キティホーク号」(83301トン、乗員数5624名)が平成12年10月と18年7月の2度寄港しています。インディペンデンス号が民間港初入港と言うことで、3日間で何と40万人が、小樽港に見学に来たと、当時の新聞で報じられました。
サン・プリンセス号を普通に撮ったのでは入りきらないので、パノラマで撮ってみると…かなり歪みました。
舳先のほうから、下がって下がって撮ったもの。
二度目の7月19日(金曜)の寄港時には、船内見学が出来ました。とにかく広くてでかい。飲食コーナーが何か所、いや何十か所あるのだろうか。飲食料金は、クルーズ料金に込だというから、食べて飲まなきゃ損、なんていうのは貧乏人根性丸出し、でもいいや、食べたい。
7月19日2度目の出港時には小樽商大のYOSAKOIソーランチーム「翔楽舞」による演舞で見送りがされました。YOSAKOIソーランが歓迎や見送りで演舞されるのは、これが初めてではないかと思います(勘違いかもしれませんが…)。
同じ勝納埠頭にある、東日本海フェリーのビルから見る。サンプリンセス号が、薄暮の中小樽港を出ていく。
(2) 初寄港イタリア船籍の「コスタ・ビクトリア号」
サン・プリンセス号の陰に隠れあまり話題になりませんでした。このコスタ・ビクトリア号も大きさでは引けを取りません。75166トン、乗客数2394名とサン・プリンセス号とほぼ同じです。8月27日に入港しました。この日は第3号埠頭14番バースににっぽん丸(22472トン)が、勝納埠頭にコスタビクトリア号が、2隻同時に入港となりました。普段大型船舶が着岸する16番バース(3号埠頭左側)は、クルーズ船停泊用に改良工事中で14番バースに大型船が着岸します。第3埠頭は、5万トンクラスが上限ですので、それを超える船は勝納埠頭に着岸します。午後5時の出港を見送りに行ってきました。
いくら下がっても全容が収まりきれません。
出港に合わせて小樽潮太鼓保存会の太鼓が打ち鳴らされます。乗船客が見入っています。
やがて大きな汽笛を発して沖合に出て行きました。
(3) 比較的小型(ほぼ1万トン以下)の客船「クリッパーオデッセイ号」と「カレドニアン・スカイ号」
上記以外に、本年6月1日(土曜)最初に入港した「ブレーメン号」(6752トン)がありますが、早朝午前6時の入港と言うことで、出迎えには行きませんでした。「クリッパーオデッセイ号」(5218トン、乗客128名)はもともと日本で小型高級クルーぜ船として平成元年に建造され、昭和海運の船でした。しかし高級クルーズ需要が国内では未発達で、その後米国に売却されました。米国船籍となりましたが、ゆかりの地日本へのクルーズが毎年行われています。
小型ながら、白い船体は気品が漂います。午前11時入港の予定が1時間早く入港したために、出迎えが市の担当者以外ほとんどおりませんでした。
カレドニアンスカイ号は、小樽港初寄港になります。8月12日(月曜)昼の12時着岸予定でしたが、この船も予定より1時間早く着岸したために、出迎えがほとんどおりませんでした。ハバマ船籍ですが、運行は英国の会社が行っています。主に東南アジア、台湾・韓国・日本中心としたクルーズ船です。
予定より1時間早く着岸、一般の出迎え客が殆どおりません。寂しい歓迎となりました。
ネズミ返しが、何ともまた…恐ろしい絵が、
(4) その他のクルーズ船
このほか日本船籍の「パシフィックビーナス号」(26218トン、乗客数696名)が6月に3度寄港しております。この船は、日本クルーズ客船(株)が運営しており、主に日本の湾岸を回るショート・ミドルクルーズが中心です。しかし2015年には約3か月間の世界一周クルーズも計画されています。
6月18日(火曜)第3埠頭14番バースに入港中のパシフィックビーナス号。小樽駅前の中央通りからHDR撮影しました。
日本船籍の中では最大規模の飛鳥2号(50142トン、は、今年は1度だけの入港となりました。過去毎年3-4回入港しているのですが…。7月30日(火曜日)潮太鼓に見送られて、母港横浜港に戻る飛鳥2号。
日本の船の場合のみに見られる出港時の紙テープの乱舞、昔ながらの風景に旅情が漂う。
もう一つ日本船籍の大型クルーズ船「にっぽん丸」(22472トン、乗客数524名)は、大手海運会社の三井商船が運行しています。現にっぽん丸は、3代目にあたります。なお、漢字で日本丸と書くと、海洋実習船の帆船「日本丸」をさします。にっぽん丸は、8月27日に入港して以来、6回寄港しております。そのうちの一回(9月5-6日)は、小樽港湾外のサンセットクルーズを行っています。したがって、公式にはダブルカウントすることになります。
紙テープが舞い、旅情が出ますね。8月27日午後6時半にもなると、夕暮れが押し迫ってきます。
こちらはにっぽん丸のネズミ返し。絵はこちらの方がユーモアが感じられます。
(5) 番外編 大型帆船の寄港もありました
今年は何と、大型帆船が2隻も相次いで入港したことも話題となりました。いずれも独立法人航海訓練所所属の大型帆船で、「海王丸」と「日本丸」です。海王丸は7月19日から23日まで、日本丸は8月15日から20日まで小樽港に滞在ししました。両船共に海事教育機関の練習船であり、国家資格である海技士を養成するための船舶です。両船共に、昭和の終わりから平成にかけて建造された2代目に当たります。初代の海王丸は富山県射水市にある海王丸パーク保存展示されています。一方初代の日本丸は、横浜メモリアルパークに保存展示されています。
両船は姉妹船とも呼ばれ、形も大きさもほぼ同じです。見分け方としては、ボディのライン、船首に取り付けられた女神像に違いのあることくらいです。
☆海王丸 H元年建造 2556トン 乗員数199名 全長110.09m 全幅13.8m 船首の女神像 「紺青」と呼ばれ、横笛を吹く女神
☆日本丸 S59年建造 2570トン 乗員数190名 全長110.09m 全幅13.8m 船首の女神像 「藍青」と呼ばれ、祈る女神
7月に入港した海王丸、先代の海王丸は「海の貴婦人」と呼ばれ親しまれていました。
上の2枚の画像は見てもほとんど区別がつきません。上小さく映り込んでいる方が海王丸。下大き目が日本丸です。
日本丸は、8月20日(火曜)午後4時の出航に際しては「登檣礼(トウショウレイ)」が行われました。登檣礼とは、当用漢字にない難しい字を書きますが、練習生がマストにのぼり、全員でお礼を言う儀式です。午後4時離岸が始まるとともに、訓練生全員がマストにのぼり、帆船がタグボートでけん引される中、何度も何度も「ごきげんよう〜」を繰り返していました。
全員帽子を振りながら「ごきげんよう〜」
タグボートに牽引されながら構内を出て行きます。
小樽港へのクルーズ客船の寄港は、今年は昨年の20回に次ぐ18回(9月5-6日の日本丸のダブルカウントを含め)となりました。7万トン級までしか着岸できなかった勝納埠頭が、整備され来年は13万トン級まで可能となります。このため大型船が相次いで訪れる予定で、計30回を超えるのではないかと言われています。今年最大の客船であった「サン・プリンセス号」(77441トン)を超える「ダイヤモンド・プリンセス号」(115875トン)が、なんと7回寄港を予定しています。
残念ながら、最後の寄港となったル・ソレアル号については、撮影に行く予定をしていながら、うっかりミスで逃してしまいました。気が付いたときは、午後7時過ぎで夕食中に大きく長い汽笛が聞こえたときでした。今から飛び出しても間に合いません。と言うことで最終寄港船の画像はありませんが、今年を振り返ってみたいと思います。話題になったのは、過去最大の豪華客船「サン・プリンセス号」77441トンが寄港したことでした。
(1) 過去最大級の「サン・プリンセス号」入港
過去に小樽港に入港した最大のクルーズ客船は、平成22年5月21日の「レジェンドオブザシー号」(69130トン、乗客2076人)ですが、サン・プリンセス号はこれを上回る77441トン、乗客2022人となっています。その威容の大きさに、港で撮影しようとしてもカメラの収まりきれませんでした。6月19日(水曜)と7月19日(金曜)の2度寄港しました。
なお、これらの大型クルーズ船を上回る船は、実は小樽港に2度入港しています。民間船ではありませんが、米軍の空母「インデペンデンス号」(80643トン、乗員数3950名)が平成9年9月5〜7日に、同じく米軍空母「キティホーク号」(83301トン、乗員数5624名)が平成12年10月と18年7月の2度寄港しています。インディペンデンス号が民間港初入港と言うことで、3日間で何と40万人が、小樽港に見学に来たと、当時の新聞で報じられました。
サン・プリンセス号を普通に撮ったのでは入りきらないので、パノラマで撮ってみると…かなり歪みました。
舳先のほうから、下がって下がって撮ったもの。
二度目の7月19日(金曜)の寄港時には、船内見学が出来ました。とにかく広くてでかい。飲食コーナーが何か所、いや何十か所あるのだろうか。飲食料金は、クルーズ料金に込だというから、食べて飲まなきゃ損、なんていうのは貧乏人根性丸出し、でもいいや、食べたい。
7月19日2度目の出港時には小樽商大のYOSAKOIソーランチーム「翔楽舞」による演舞で見送りがされました。YOSAKOIソーランが歓迎や見送りで演舞されるのは、これが初めてではないかと思います(勘違いかもしれませんが…)。
同じ勝納埠頭にある、東日本海フェリーのビルから見る。サンプリンセス号が、薄暮の中小樽港を出ていく。
(2) 初寄港イタリア船籍の「コスタ・ビクトリア号」
サン・プリンセス号の陰に隠れあまり話題になりませんでした。このコスタ・ビクトリア号も大きさでは引けを取りません。75166トン、乗客数2394名とサン・プリンセス号とほぼ同じです。8月27日に入港しました。この日は第3号埠頭14番バースににっぽん丸(22472トン)が、勝納埠頭にコスタビクトリア号が、2隻同時に入港となりました。普段大型船舶が着岸する16番バース(3号埠頭左側)は、クルーズ船停泊用に改良工事中で14番バースに大型船が着岸します。第3埠頭は、5万トンクラスが上限ですので、それを超える船は勝納埠頭に着岸します。午後5時の出港を見送りに行ってきました。
いくら下がっても全容が収まりきれません。
出港に合わせて小樽潮太鼓保存会の太鼓が打ち鳴らされます。乗船客が見入っています。
やがて大きな汽笛を発して沖合に出て行きました。
(3) 比較的小型(ほぼ1万トン以下)の客船「クリッパーオデッセイ号」と「カレドニアン・スカイ号」
上記以外に、本年6月1日(土曜)最初に入港した「ブレーメン号」(6752トン)がありますが、早朝午前6時の入港と言うことで、出迎えには行きませんでした。「クリッパーオデッセイ号」(5218トン、乗客128名)はもともと日本で小型高級クルーぜ船として平成元年に建造され、昭和海運の船でした。しかし高級クルーズ需要が国内では未発達で、その後米国に売却されました。米国船籍となりましたが、ゆかりの地日本へのクルーズが毎年行われています。
小型ながら、白い船体は気品が漂います。午前11時入港の予定が1時間早く入港したために、出迎えが市の担当者以外ほとんどおりませんでした。
カレドニアンスカイ号は、小樽港初寄港になります。8月12日(月曜)昼の12時着岸予定でしたが、この船も予定より1時間早く着岸したために、出迎えがほとんどおりませんでした。ハバマ船籍ですが、運行は英国の会社が行っています。主に東南アジア、台湾・韓国・日本中心としたクルーズ船です。
予定より1時間早く着岸、一般の出迎え客が殆どおりません。寂しい歓迎となりました。
ネズミ返しが、何ともまた…恐ろしい絵が、
(4) その他のクルーズ船
このほか日本船籍の「パシフィックビーナス号」(26218トン、乗客数696名)が6月に3度寄港しております。この船は、日本クルーズ客船(株)が運営しており、主に日本の湾岸を回るショート・ミドルクルーズが中心です。しかし2015年には約3か月間の世界一周クルーズも計画されています。
6月18日(火曜)第3埠頭14番バースに入港中のパシフィックビーナス号。小樽駅前の中央通りからHDR撮影しました。
日本船籍の中では最大規模の飛鳥2号(50142トン、は、今年は1度だけの入港となりました。過去毎年3-4回入港しているのですが…。7月30日(火曜日)潮太鼓に見送られて、母港横浜港に戻る飛鳥2号。
日本の船の場合のみに見られる出港時の紙テープの乱舞、昔ながらの風景に旅情が漂う。
もう一つ日本船籍の大型クルーズ船「にっぽん丸」(22472トン、乗客数524名)は、大手海運会社の三井商船が運行しています。現にっぽん丸は、3代目にあたります。なお、漢字で日本丸と書くと、海洋実習船の帆船「日本丸」をさします。にっぽん丸は、8月27日に入港して以来、6回寄港しております。そのうちの一回(9月5-6日)は、小樽港湾外のサンセットクルーズを行っています。したがって、公式にはダブルカウントすることになります。
紙テープが舞い、旅情が出ますね。8月27日午後6時半にもなると、夕暮れが押し迫ってきます。
こちらはにっぽん丸のネズミ返し。絵はこちらの方がユーモアが感じられます。
(5) 番外編 大型帆船の寄港もありました
今年は何と、大型帆船が2隻も相次いで入港したことも話題となりました。いずれも独立法人航海訓練所所属の大型帆船で、「海王丸」と「日本丸」です。海王丸は7月19日から23日まで、日本丸は8月15日から20日まで小樽港に滞在ししました。両船共に海事教育機関の練習船であり、国家資格である海技士を養成するための船舶です。両船共に、昭和の終わりから平成にかけて建造された2代目に当たります。初代の海王丸は富山県射水市にある海王丸パーク保存展示されています。一方初代の日本丸は、横浜メモリアルパークに保存展示されています。
両船は姉妹船とも呼ばれ、形も大きさもほぼ同じです。見分け方としては、ボディのライン、船首に取り付けられた女神像に違いのあることくらいです。
☆海王丸 H元年建造 2556トン 乗員数199名 全長110.09m 全幅13.8m 船首の女神像 「紺青」と呼ばれ、横笛を吹く女神
☆日本丸 S59年建造 2570トン 乗員数190名 全長110.09m 全幅13.8m 船首の女神像 「藍青」と呼ばれ、祈る女神
7月に入港した海王丸、先代の海王丸は「海の貴婦人」と呼ばれ親しまれていました。
上の2枚の画像は見てもほとんど区別がつきません。上小さく映り込んでいる方が海王丸。下大き目が日本丸です。
日本丸は、8月20日(火曜)午後4時の出航に際しては「登檣礼(トウショウレイ)」が行われました。登檣礼とは、当用漢字にない難しい字を書きますが、練習生がマストにのぼり、全員でお礼を言う儀式です。午後4時離岸が始まるとともに、訓練生全員がマストにのぼり、帆船がタグボートでけん引される中、何度も何度も「ごきげんよう〜」を繰り返していました。
全員帽子を振りながら「ごきげんよう〜」
タグボートに牽引されながら構内を出て行きます。
小樽港へのクルーズ客船の寄港は、今年は昨年の20回に次ぐ18回(9月5-6日の日本丸のダブルカウントを含め)となりました。7万トン級までしか着岸できなかった勝納埠頭が、整備され来年は13万トン級まで可能となります。このため大型船が相次いで訪れる予定で、計30回を超えるのではないかと言われています。今年最大の客船であった「サン・プリンセス号」(77441トン)を超える「ダイヤモンド・プリンセス号」(115875トン)が、なんと7回寄港を予定しています。