<エメラルドグリーの湖面に枯れ木の白が、よくマッチして…>
前回のブログでは、国道274号線沿いの朝露とモヤに霞む風景等をご紹介しました。今回は夕張滝の上公園の紅葉と清水沢の大夕張鉄道そしてシューパロ湖ダムを取り上げます。撮影時期が10月7日と、紅葉時期としては1~2週間早かったこともあって、山々一面紅葉と言う訳にはいきませんでした。
さて、陽が高くなるに274号線沿いのモヤは和らいできましたが、遠くに見える山々の裾野にはまだモヤがかかり、付近に川があると、川からキリが発生しています。車から出て撮影していても、かなり気温が低いせいか、ジャケットを通して寒さが染み込んできます。夕張紅葉山交差点の15-6㎞手前に「滝の上公園」があります。ここにはいくつもの撮影スポットがあるので、ここでまずは撮影です。
レンガ色の建物は、「滝の上発電所」です。石炭産業旺盛な頃はここの水力発電が、大きな動力源でありました。しかし、今はその役目も終わり、築80年のレンガ造りの建物は、老朽化しています。立て直すにしてはコストがかかりすぎるし、取り壊すにしても壊せない状況にあるといいます(河川法上の諸問題等)。現在は北海道炭鉱遺産に指定されています。
夕張川をまたぐ公園内の赤い鉄橋の上からは「千鳥ヶ滝」が望めます。長い年月を経て流れが侵食した渓谷、奇岩はいつ見ても写欲が掻き立てられます。モヤが晴れず、とても寒く、本来であれば、この鉄橋を渡って対岸に出たいところです。そして右手に進むと、赤い橋があって、素晴らしい景観があるのですが…とにかく寒くて断念です。
橋の上から上流を見ると、これが「千鳥ヶ滝」です。
同じ位置から下流方向を見ると、左奥にかすかに赤い橋が見えるのですが…、ここを「竜仙峡」と言います。多少震えながら撮影です。この二カット撮ってすぐに駐車場方向に戻ります。
モヤが晴れて、ピーカンの天気になれば、一段と紅葉が映えるのですが、こればかりは如何ともしがたいです。
公園の駐車場には満天星(どうだん)つつじが咲き誇ってました。花音痴の私がよくわかったなって?いえいえ同乗者のF氏に教えて頂いたのです。
防寒対策はしてきたつもりなのですが、さすが山間部の地域で、おまけに陽が隠れているため、一向に気温が上がりません。早々に車に乗り込んで先に進みます。午前7時半過ぎ、腹も減ってきましたので、紅葉山交差点付近のコンビニで、朝食と温かい飲み物を買うことにします。そして国道274号線に別れを告げ、道道452号線(夕張~三笠~芦別)に入り、清水沢に向かいます。
午前8時前交通指導員のおばさんがおりましたので、ダム管理事務所の方向を教えてもらいました。進行方向に雲海らしきものが見えます。上手くいけばシューパロダムに雲海が…という期待感が膨らみます。
さらに進むと、後方の夕張山地の下に雲が流れ、住宅街の方まで流れてきています。
先ずはシューパロ湖ダム管理事務所わきの展望台(らしきスペース)に到着しましたが、残念ながら雲海は全く見当たりません。湖面は結構水量があって、三弦橋は水没したままです。今年の2月に撮影に来た時にはダム供用開始前で、鉄橋は全面結氷の湖面から顔を出していました。
<H27.2.20撮影>
右のベニヤに張られた画像は、水没前の鉄橋。左は、徐々に水嵩がまして水没直前の鉄橋。
シューパロ湖は一見何の変哲もないように見えますが、よく湖面を見ていると、風の具合、太陽の高さ、時間帯等によってさまざまな表情を見せていることに気が付きました。
遠方の湖面は空の青さを写し込んでマリンブルーに輝いていますが一部に後方の樹木の色を写し込んで緑色にも輝いています。
緑色の湖面に枯れ木のアートが…
先程の撮影場所から1㎞程離れ、時間帯が違うと…多少濁った色合いになりました。
水没していた枯れ木も、樹木の種類によって色調が微妙に異なる…
鮮やかな水色の湖面に枯れ木がシンメトリーに映り込んで…
対岸に目を写せば白い枯れ木がモノクロームの世界となって表れてきました、そこを白黒調にして撮ってみました。
モノクロ撮影ですが…枯れ木が水面に映り込んで、何か不思議な感じがしますね、シンメトリックなような、そうでないような…上部の枝が揺れている?あれっ、画像逆さまだったかな?
湖面にばかり気を取られていますが、道路の反対側にも面白い光景があります。ダム満水時には水に埋もれていたであろう枯れ木が絡み合って、面白い作品になってました。殆どモノトーンでしたので敢えて、モノクロで撮ってみました。
とにかく湖面上にはまだまだ紹介しきれないほどの、面白いアートがたくさんありました。それらはまた別の機会に紹介するとして…、肝心の紅葉はイマイチでしたので敢えてアップしませんでした。ということで、シューパロ湖での撮影を切り上げて、富良野・美瑛方面に北上します。途中道路わきに保存されている「三菱大夕張鉄道車両」(北海道遺産)に立ち寄りました。
ラッセル車でしょうか、とにかくごつい機関車です。ま~、ヒグマが出そうな森林地帯を走っていたわけですから、多少の障害物なんぞ跳ね飛ばしたのでしょうね(勝手な想像です)。
乗客車両があるということは、石炭だけでなく沿線住民の足として利用されていたんですね。
<三菱大夕張鉄道 ウィキペディアから>
明治44年開業の炭鉱専用列車で夕張線(夕張鉄道)の清水沢駅と南大夕張駅を結んでいたが、昭和14年にさらに奥地の大夕張炭山まで延伸。主に石炭、木材を運搬していたが沿線住民の足として利用された。
昭和44年以降、相次ぐ閉山、周辺人口の減少、合理化等によって、昭和62年に廃線となった。現在は客車など6両が「大夕張シネマトレイン保存会」の手によって、歴史遺産として整備・保存されている。
この列車も、シューパロ湖を横断するあの三弦鉄橋を走ったのであろうか?
次回は紅葉撮影ツアー最終回で、富良野・美瑛での撮影画像を取り上げる予定でいます。